
「折れた煙草の吸殻で、あなたの嘘がわかるのよ」
「折れたベースのネックで、私の悲しみわかるのよ。」
サンダーバードをこよなく愛す私が、
今年の夏、同じサンダーバードをもう一本買った。
サンダーバード2号機である。
今の愛機、サンダーバード1号機も、
いつどんなトラブルが起こるかわからないので
予備にと思い、買っておいた。
次の日、早速そのサンダーバード2号機を持って
スタジオに向かうべく、車のトランクに入れてドアを閉めた時、
少しはみ出ていたのか、なんか鈍い音がした。
まあ、あまり気にせずスタジオに着いて、
意気揚々とソフトケースから出すと、
「何と!!」
ネックのヘッドあたりから真っ二つに折れていた。
まだ、買って2日目。
1度も、スタジオで音を出すこともなく、
真っ二つに折れていた。
次の日、パソコンで折れたネックの直し方なんか検索して
見よう見まねで、木工用ボンドと瞬間接着剤でくっつけてみた。
意外とうまく、くっついたので、バイスでギュッと挟み込んで
しばらく何日も固定してみた。
1週間後、バイスをはずしギュッと力を加えてみたが
結構くっついている。
「これなら、何とかなるかな?」
そして、はずしたパーツを組みつけ、恐る恐る弦を張った。
なんとか弾けるようになったが、まだ弦高が滅茶苦茶だ。
「まあ、とりあえず様子を見てみよう」
と、しばらく放置してました。
そして先月のライブが終わった後、しばらくライブがないので
サンダーバード1号機をメンテナンスに出そうと、知り合いのギター屋さんに
持って行った時、ついでに2号機も持って行って見てもらうことにした。
折れたネックをくっつけた2号機を見た、ギター屋の大将曰く、
「意外としっかりくっついてそうだから十分使えるのでは」
との事だったので、
「じゃあ、これもバリバリに仕上げといてね」
と1号機、2号機、ともに入院。
1ケ月後の24日の木曜日。
ついに退院の日が来た。
お店に取りに行くと、大将がうれしそうな顔で、
「バリバリに仕上げといたで!」
と2号機をケースから出すと、あの2号機が見違えるような姿に!
折れたネックのつなぎ目を上手く補修して、塗装までしてくれていたので、
パっと見たら全然わからなくなっていた。
「なんていい人!大将!」
感激して、家に持って帰ってきた。
さあ、そうなるともう2号機の音を出したくて、出したくて・・・・
次のスタジオ練習まで待てなくて、だってまだ1度も音出してませんから。
今日、土曜日マサミを誘って、予定外のスタジオに入った。
そしてついに2号機のデビュー戦!
1号機に比べると、まだまだ弾きが足りないので、
サンダーバード独特のブリブリ感がやや薄いような気はするが
とりあえず弾けるだけで、今日は満足。
あの悲劇から4ケ月、やっとデビュー出来たんですから。
大満足でスタジオ練習を終え、帰る時、一応もしもの為に、
1号機も持って行っていたので、ベース2本かかえてスタジオを出て、
車のトランクに慎重に積み込もうと、2号機に負担がかからぬよう
1号機を下にしてその上に2号機を乗せようと、車にもたれかけさせ
1号機を車に積み込み、次に2号機を乗せようと思った時・・・・・・
サンダーバードの独特のあの形、地面に置いた時のバランスの悪さ、
そう!!
その時、ゆっくりとたてかけていた2号機が倒れて行くのを
僕は茫然と見送るしかなかった・・・・・。
「ゴッギーン!」
「うわあ!!!!!!」
絶叫する私。
「・・・・・・・」
言葉が出ないマサミ。
まさか・・・・
恐る恐る倒れた2号機を持ち上げて
ケースの上からネックのあたりを触ってみると・・・
「グニャ〜」
同じ所から真っ二つに折れていた。
「悲しい時! 2回も同じベースのネックが折れた時・・・・・」
くやしいから新しいサンダーバード買ってやる!
「皆さんも、楽器の取り扱いには気をつけましょう」